カザフスタンの国旗の意味
中央アジアのカザフスタンには、 トルコ系遊牧民族であるカザフ族が多く住んでいます。
他の遊牧民族と比べると、一部地域に住むカザフ族は、最も伝統的な遊牧生活を送り、遊牧民としての独特な文化を今でも継承している人々だとも言われています。
今回のブログでは、そんなカザフ族が多く住む、カザフスタンの国旗についてお話していこうと思います。
カザフ族とは:
カザフ族は、主に中央アジアのカザフスタン共和国や中国のウイグル自治区に居住するトルコ系の民族です。
カザフスタン や中国の他にも、ウズベキスタンやロシア、モンゴルの一部地域などにも居住していて、人口は約1000万人にも及ぶと言われています。
カザフ族の多くはイスラム教を信仰しており、トルコ系の言語であるカザフ語とロシア語を主な言語としています。
カザフ族はもともとは遊牧民族なので、イスラム教を信仰しつつも、モスク(イスラム教寺院)は持っていません。
また、イスラム教ではありますが、古くからの遊牧生活の中で自然と密接に暮らしてきたため、文化的にシャーマニズムの影響も強く残っています。
現代では定住しているカザフ族も増えてきていますが、カザフスタン の地方やモンゴルのバヤンウルギー県に住むカザフ 人の多くは、今でも伝統的な遊牧生活を送っています。
カザフスタンの国旗:
カザフスタンの国旗は、 カザフスタン がソ連から独立した翌年の1992年に制定されました。
国旗には水色と金色(黄色)の2色が使用されています。実際の旗には黄色が使われていますが、法律上は金色と規定されているそうです。
水色地の国旗の中央部には32本の光を擁する金色の太陽と翼を広げているイーグル、そして左側には金色でカザフ人伝統の文様が描かれています。
水色(青色)はカザフ族含むトルコ系民族の伝統色であり、神の存在を象徴しているそうです。
現在では、水色はカザフ草原の澄んだ空と平和、民族の団結などを表しています。
伝統的に中央アジア系遊牧民は、水色を好む傾向にあるとか。
中心に描かれている太陽は、生命とエネルギーの源、繁栄、豊かさを表しています。
そして太陽の下で羽ばたくイーブルは、自由や権力、希望、未来への飛翔などを象徴しているそうです。
また、中央アジア地方を支配したチンギスハーン帝国や、そこに住むカザフスタン人の誇りも表しているそう。
以前のブログでカザフ族の鷹狩について書きましたが、鷲や鷹などの鳥は、カザフスタン の国旗に使用されるほど、身近であり、カザフスタンの人々を象徴する重要な存在であることがわかりますね。
左側に縦に入っている金色の模様は、「アラベスク文様」と呼ばれるカザフの伝統的な装飾文様であり、「鷲の翼」とカザフ 人にとって重要な家畜の「羊のツノ」がモチーフとされています。
確かに、くるっと内側に巻かれた線は、羊の角に見えないこともないですね。
この羊の角をモチーフにしたカザフの文様は、装飾として最も頻繁に使われていて、数多くの変形パターンがあるそうです。
まとめ:
いかがでしたでしょうか?
この他にも、カザフの文様は沢山の種類があり、そのひとつひとつが意味を持ち、カザフの遊牧民としての生活様式に深く関係しています。
遊牧民のカザフ 族は、日頃からそんな文様がびっしりと描かれている刺繍などの装飾品に囲まれて暮らしています。
Nomadic Soulでは、そんなカザフ族の美しい文様の刺繍が施された商品を取り扱っていきます。
また、これからのブログ記事でも、様々なカザフの伝統的模様をご紹介するので、お楽しみに!