モンゴルの国旗の意味って?

こんにちは、Nomadic Soulの與古田です。

皆さんは、モンゴルの国旗がどのようなデザインかご存知でしょうか?

なんとなく目にしたことがある人も多いと思いますが、日本のシンプルな国旗とは違って少し凝ったデザインなので、記憶だけでモンゴルの国旗を描くのは難しいのではないでしょうか…。

今回はそんなモンゴルの国旗の意味を簡単にまとめてみました!

 

モンゴルの国旗が表すものとは?

モンゴルの国旗は赤、青、黄色の縦3色地です。

左から赤・青・赤の順に下地が並んでいて、一番左側の赤地には何やらいくつかの図形のようなものが黄色で描かれています。

この図形、ソヨンボ文字といって、実はかつてモンゴルで使われていた立派な文字なのです。1686年にボグド・ザナバザルという僧侶によって作成されたそうです。

ソヨンボ文字はモンゴル国家のシンボルで国章や紙幣などにも使用されています。

長い間ソ連の影響下にあった歴史的背景から、モンゴルではモンゴル語の表記は一般的にキリル文字が使われている為、国旗に描かれているようなソヨンボ文字は使われていません。

街中でもそんなに頻繁に目にすることはないですが、何かの記念碑や文化的な場所には、一部ソヨンボ文字のシンボルが使われていることもあります。

おもしろいことに、モンゴルのお隣、ロシア連邦を構成するブリヤート共和国の国旗にも、このソヨンボ文字が使用されていました。


ブリヤート共和国は、モンゴルとロシアの間に位置する国でモンゴル系の民族が暮らす仏教信者が大多数を占めているので、歴史的にもモンゴルと共通するところが多いのかもしれませんね。

モンゴルの国旗に記されてるソヨンボの意味には色々な説があるそうですが、それぞれの図形は上から、火・地球・水・太陽・月・陰陽を表しているそうです。

それぞれの意味を見てみましょう。

火:モンゴルでは火は富と成功の象徴であり、炎の三つの舌は、過去・現在・未来を意味するそうです。

太陽と月:太陽と月は、モンゴルにおける天上世界や天の創造神の「テングリ 」の象徴としていて、モンゴル人の起源を意味します。

三角形:三角形は矢じりや槍の先を表していて、下に向いているのは、内外の敵を倒すことを意味しているそうです。

横棒:二つの横棒はモンゴルの人々が、上にある時も下にある時も正直さと正義を持つことを表しています。

陰陽(太極図):太極と陰陽の調和を表しています。陰陽とは、中国の易学でいう、宇宙の万物を作り、支配する二つの相反する性質(陰と陽)を持つ気です。黒色は陰を表し右側で下降する気を意味し、白色は陽を表し左側で上昇する気を意味します。モンゴルで信仰されているチベット仏教にはこの陰陽道的思想があり、チベットの国旗にもこの陰陽(太極図)が描かれています。

縦棒:二本の縦棒は砦の壁を意味しています。これはモンゴルの統一と強さを表し、「二人の友情は石の壁よりも強い」というモンゴルのことわざにも基づくものだそうです。

また、このソヨンボのシンボルには上記の他にも、繁栄、神聖、主権、高潔、自由、団結、などの意味がこめられているとも言われています。

次に国旗に使われている色を見てみましょう。

「赤」は勝利と歓喜あるいは進歩と繁栄を、「青」は永遠の青空、または忠誠と献身を、そして 「黄」は永遠の愛と友情をそれぞれ表します。

モンゴルはよく「Land of the eternal blue sky (永遠の青空の地)」と呼ばれ、青空のもとで長年遊牧生活を送ってきたモンゴル人にとって、青色は不変の青空を表す特別な色だそうです。

また、ソヨンボ文字の「太陽と月」にも天を崇拝する「テングリ 」が象徴されていることから、モンゴル人にとってどれほど天や空が神聖なものなのかがわかりますね。


まとめ:

モンゴルの国旗の意味、いかがでしたか?

国旗の色やひとつひとつの図形に、多くの意味が込められているモンゴルの国旗です。モンゴル人の生き様や信仰、願いが感じられます。

モンゴルの国旗を学んだ今ならモンゴルの国旗を何も見ずに描けるかもしれません。笑