遊牧民と羊毛フェルト

牧畜を家業とするモンゴルの遊牧民たちにとって、家畜の羊は昔からとても身近で大切な存在です。

遊牧民と共に大草原を移動し、衣服やゲル、食肉用としても使える羊は、生活の至る所で重宝されてます。

羊は人々に衣食住のすべてにわたり提供してくれるため、羊は生きているうちは、移動可能で腐らない衣食住の貯蔵庫と言えます。


遊牧民にとって羊は優れた財産であり、その家庭の豊かさの象徴でもあるのです。


そんなモンゴルの遊牧民たちの生活には欠かせない羊ですが、今回の記事では、そんな羊から作られた『羊毛フェルト』についてお話していこうかと思います。

 


羊毛フェルトって?

羊毛フェルトとは、一般に羊毛の繊維をからませて圧縮、あるいは縮絨した不織布のことをいいます。羊毛に熱・水 分・摩擦・圧力などを加えることによって、キューティクルを開かせて 繊維どうしを複雑に絡み合わせ、その後、キューティクルが閉じて繊維 がほどけなくなる状態になっている布です。

とても分厚く細かく縮れた毛の中に空気を多く含むため、一度暖まった熱を外に逃しません。冬はマイナス40℃にもなる極寒の地で、保温性に優れている羊毛フェルトは、人々の厳しい生活を支えてくれます。


例えば、モンゴルの移動式住居ゲルの壁や天井などの内側には、必ず羊毛フェルトがかけられます。特に冬の寒さが厳しい時期には、羊毛フェルトを2枚重ねすることにより、防寒性を高めてゲルの内側を暖かく保つこともできるのです。

 

 

また、耳当てやブーツ、上着などの衣服などの防寒アイテムとしても用いられる一方で、フェルトは通気性も抜群で蒸れを防いでくれるため、冬だけでなく春から夏の間にかけても、ブーツやその中敷の素材としても使用することができます。

 

このように、羊毛の天然フェルトは、保温性と通気性同時に優れているため、冬に暖かく夏に涼しく、一年を通して使える有能な生地なのです。

 

羊毛フェルト雑貨

近年モンゴルでは、伝統的な日用品、ゲルのパーツとしてだけではなく、外国人の観光土産にも羊毛フェルトが用いられるようになりました。

フェルトのお土産品は主に伝統的技術で作られていることが多く、ハンドメイドでひとつひとつ丁寧に作られています。

素朴で優れてた素材の羊毛フェルトは、モンゴルの遊牧民たちの日常の隅々で伝統的に重宝されているだけではなく、モンゴル文化を他国の人々に触れてもらうために重要な役割を果たしています。

定番として、モンゴルを代表とする馬、羊、牛、ゲルなどの家畜を形どったフェルト小物やぬいぐるみは、とても温もりがあって可愛らしく、装飾だけではなく、子供のおもちゃとしても使用できます。

また、スリッパやブーツ、バッグ、小物入れなどのカジュアルな日用雑貨もお洒落なアイテムとして、人気があります

Nomadic Soulでは、伝統的なデザインが施された物から、シンプルで現代的要素が入っている可愛らしい羊毛フェルトグッズを取り扱っていく予定です。

保温性と通気性に優れている万能で触り心地抜群の優しい羊毛フェルトを、皆さんの暮らしの一部に取り入れていただけたら嬉しく思います。

今はコロナウイルスの影響で、商品の到着が遅れている状況ですが、商品が届きしだい、Nomadic Soulのブログで商品を紹介していく予定なので、楽しみにしていてください。