3つのNomad(ノマド)の種類

日本でも最近よく耳にするようになった「Nomad(ノマド) 」という言葉。

近年、日本ではノマド というと、定住地を持たずに自由気儘に転々と移住するライフスタイルや、またはノマドワーカーのように通常のオフィス勤務ではなく、好きな場所で働くワークスタイルなどを指す言葉になっていますよね。

本体、ノマド は英語で『遊牧民』『放浪者』などの『定住地を持たずに暮らす人々』を意味しています。

このノマド 本来の意味、『定住地を持たずに暮らす人々』には、もちろん「遊牧民」が含まれますが、実は遊牧民の他にも伝統的にノマド と呼ばれる生き方をしている人々がいると知っていましたか?

一般的にノマド と呼ばれる生き方はそれぞれの生活様式ごとに3つに分けることができます。


今回の記事では、そんなNomadの種類を詳しく紹介していきます!


移動型と定住型?

もともと人類の生活は移動型と定住型の2つに大きく分けることができます。

定住型は言葉の通り、一箇所に定住する暮らし方、一定の場所に住居を決めて生活を営むことを言います。

歴史を遡ると、私たち日本人は定住型の農耕民族に分けられるそうです。主に河川流域に住んで麦や稲を育て生活を営んできたため、一箇所に定住したと考えられています。

一方、移動型はいわゆるNomad(ノマド )と呼ばれる、定住地を持たずに移動しながら暮らす生き方を指します。

 

Nomad(ノマド )の種類:

①遊牧民

まずはノマド 生活を送る代表的な人々、「遊牧民」について。

遊牧民とは、「一箇所に定住することなく、居住する場所を一年間を通じて何度か移動しながら主に牧畜を行って生活する人々」のことです。

遊牧民の生活している地域は乾燥帯/ツンドラであるため、雨も少なく農耕には向いていません。また気候も厳しいため、一箇所には定住せずに、気候の変化や家畜の状況にあわせながら、夏営地、冬営地の牧地に移動して暮らしています。

遊牧生活では牧畜を主に行っているため、ミルク、毛皮、肉などを入手することは簡単ですが、穀類や、野菜、高度な工芸品を安定して手に入れることが非常に難しいです。

そのため、遊牧民はその移動する特性を生かして岩塩や毛皮、遠方の定住地から遊牧民の間を伝わって送られてきた品物などを運び、定住民と物品交換を行うことによって生活必需品を得ています。

一見素朴な自給自足生活を送っているような遊牧民も、実は馬や羊、牛などの商品性の高い家畜を売り買いして生活をな立たせているそうです。

代表的な遊牧民として、モンゴル系遊牧民やトゥルク系遊牧民、ラップランドのサミがいます。

 

 

②狩猟・漁撈・採集民


狩猟採集民とは、野生の動物の狩猟や木の実や根菜、きのこなどの植物の採集を生活の基盤とする人々のことです。

また、狩猟採集と合わせて、魚介類・貝類や海藻を捕獲・収穫も行っている人々の場合は、狩猟漁撈採集民と呼ばれます。

ほとんどの場合、狩猟採集民は一定の場所に定住せずに、季節的移動生活を送っています。

狩猟採集民は北極圏から熱帯雨林、砂漠にいたるまで地球上全ての地域に存在していて、農耕が開始された新石器時代まで全ての人類は狩猟採集社会だったと考えられているそうです。

近代化が進んでいる現代でも、熱帯の密林や大陸の縁辺部などにごく小さな集団を形成し,狩猟採集によって生活している民族が存在しています。

狩猟採集民の代表的な狩猟採集民として、北極圏のイヌイット(エスキモー)、オーストラリアのアボリジニ、アフリカ南部の砂漠にすむブッシュマンなどの存在が知られています。日本にもかつて狩猟採集を行って暮らしていたサンカと呼ばれる集団がいたそうです。

また、ネイティブアメリカン(インディアン)や日本のアイヌなどの先住民族も、かつて狩猟採集生活を送っていた民族です。

 

③職人・商人の放浪民

代表的な職人・商人の放浪民にはジプシーGypsy)がいます。

ジプシーは、一般にはヨーロッパで生活している移動型民族を指し、転じて、現在では様々な地域や団体を渡り歩く者、旅する者を比喩する言葉ともなっています。

古来、ジプシーは箱馬車などに住んで村々を渡り歩いていましたが、現代では定住してしまいジプシーの伝統的な放浪生活をやめた人々も増えています。

全世界では2000万人のジプシーが存在するとも言われていますが、彼らは移動する民族でもあるため、その正確な人口を計ることは難しいです。

ジプシーの伝統的な職業としては、大道芸人、占い師、馬の売買、鋳掛け屋などが知られています。

彼らは独自の音楽や踊りを産み出し、演奏家や旅芸人として重宝されていました。

ジプシーは放浪先の中近東やヨーロッパ各地の音楽文化に強い影響を与えてきたと言えます。 あのフラメンコも実はジプシーの音楽と踊りが原型だったそうです。

また、一説には、タロットと呼ばれるカード占いもジプシーの占いが発祥とも言われています。

歴史的に人々から迫害を受けてきたジプシーですが、彼らは文化面でヨーロッパに貢献してきたといえます。

 

 

まとめ:

3つの種類のノマド 、いかがでしたでしょうか?

遊牧民の他にも、狩猟漁撈採集民や 職人・商人の放浪民といった、一箇所に定住せずに移動しながら暮らす人々が今も存在しています。

近代化が進んだ現代では移動型の生活を送っている人々も減少傾向にありますが、少々過酷ながらも定住地を持たずに、その時々の環境や状況に適した場所に移り住む彼らの生き方からは、学ぶことがあるのではないのでしょうか。