「あっかんべー👅?」チベットの変わった挨拶

世界にはその地域や民族の文化や思想が反映された独自の挨拶が存在します。

お辞儀や握手、ハグ、両手を合わせたり…互いの頬を当てて口づけをしたり…

と、その様式は実に様々ですよね。

中には私たち日本人がびっくりするような挨拶も。

以前のブログでは、モンゴルでは帽子を被ることが礼儀とされている為、日本と反対にフォーマルな場や挨拶時には必ず帽子を被るというお話もしましたね。

今回は、モンゴル同様、今現在でも遊牧生活を送る人々が多いチベットの一風変わった挨拶をご紹介しようと思います。

 

 

1. チベットの舌を出す挨拶

チベットには初めて顔を合わせた人に「舌を出す」古い挨拶があります。

これは、あっかんべー👅相手を挑発としているのではなく、反対に相手への敬いの気持ちを表すれっきとした挨拶なのです。

ではなぜ舌を出す行為がチベットで正式な挨拶となったのでしょうか?

 

 

なんでも、チベットには古くから「悪魔の舌は黒い(または緑)」という言い伝えがあるそうで、悪魔やその生まれ変わりは黒い下を持つと信じられていました。

チベットの人々はチベット仏教の輪廻転生を強く信じている為、悪魔や邪悪な者の生まれ変わりをとても恐れていたそうで、

その為、人々は互いの下を出して見せ合うことで、自分は悪魔やその生まれ変わりではないことを証明するようになり、その行為が次第に挨拶として定着したそうです。

また一説には、仏教を弾圧して多くのチベット人を虐殺した7~9世紀チベットに存在した吐蕃(トバン)王国の暴君ラン・ダルマ王の舌が黒かったと言われているため、その王の生まれ変わりではないことを示していたとも言われています。

 

また「舌を出す」と合わせて「帽子を取り頭を見せる」もその当時の挨拶だったという話もあります。

これは、舌同様、悪魔の頭には角が生えていると信じられていた為、自分の頭には悪魔のように角が生えていないことを証明していたそうです。

 

チベットの人々の強い信仰心や邪悪なものへの恐れが反映されていて、とても興味深くおもしろい由来ですよね。

 

実際にはどんな風に挨拶をしていたのか気になり、ネット上で映像や写真を探してみたのですが、今現在ではこういった挨拶をする人は少ないのか、参考になる写真や映像は少なかったのですが…

たまたまNetflixで見つけた映画セブン・イヤーズ・イン・チベット』の作中でこの舌を出す挨拶を見ることができました。

1997年に公開されたブラッドピットが主演の映画で、ブラピが演じる登山家とダライラマ14世の交流や中国共産党の軍事侵略が描かれている映画です。

作中でブラピ演じる登山家がチベットの村に到着した際、チベットの人々が一斉に自分の下を出してブラピを迎えていました。

20年前以上の映画で、舌を出す挨拶が割と忠実に描かれているかなと思うので、ご興味ある方は是非観てみてください!

 チベットにはこの他にもチベット仏教や彼らの古い迷信からきたマナーや変わった風習が数多く存在しているので、また皆様にご紹介していきます〜